今回の旅の一番のきっかけとなったのは、冊子のお庭特集の瑠璃光院の写真。新緑のリフレクションがなんとも幻想的で、訪れてこの目で見てみたいと思った。
瑠璃光院は春と秋に公開を限定しているが、7月半ばから1か月ほども公開しており、そのタイミングに合わせて今回の旅行を計画した。瑠璃光院のリフレクションは、いわゆる「インスタ映え」する人気のスポット。秋の紅葉シーズンには入場できないほどだというし、中に入れたとしても人でいっぱいだろう。今回行った日は、たまたま豪雨となってしまい、外にも出られないほどの大雨。しかし、ここまで来て瑠璃光院に行かないという選択肢はないし、ホテルから徒歩10分、洋服がずぶぬれになる覚悟で瑠璃光院に向かった。



拝観料2000円を納め、中へ。2階にそのお庭のリフレクションが見られる書院がある。それほど大きくない書院に入ると、窓から見えるお庭の緑の葉と、角に置かれた漆の机に映り込むお庭の葉のリフレクションが目にとびこんでくる。


この書院は、とても落ち着く空間で、この大雨のせいで人も少なく、皆思い思いに静かに過ごしていて、それが居心地がいい。雨の音がさらに心地よく響いて癒される。1時間ほどはここにいたのではないかな。まさに「恵みの雨」だ。



2階で写経をし、1階に降りると、瑠璃の庭が本当に美しかった。雨にぬれた苔がしっとりきらきらして見えて、日本の庭の優雅さを感じることができる。


写経の最後には、自分の願いが書けるようになっており、心を込めて写経を納めた。この日は警報が鳴るほどの大雨だった。しかし、それが私たちには幸いし、心ゆくまで、時間の制限もなく、この空間に身をおくことができた。幸運に感謝だ。
