サイプレスの精油との出会い

サイプレスは、私にとって特別な精油。

もっと香りが好きな精油、頻繁に使う精油は他にはあるけれど、特別な精油といえば、サイプレスだ。

それは、まず、サイプレスが、私の妄想的原風景であるイタリアのトスカーナの丘陵地帯の風景には欠かせない糸杉の木であること。そして何より、サイプレスという精油があることさえ知らなかった私が、初めて参加したアロマのワークショップでサイプレスの精油に出会い、私をアロマの世界に導いてくれたから。

ワークショップで作ったのはバスソルト。サイプレスをメインに、他のアロマオイルもブレンドして、初めてのオリジナルのバスソルトを作った。サイプレスは日本ではヒノキだけれど、原産地フランスのサイプレスのオイル自体そのとき初めて知ったから、もちろんその香りも初めてだった。サイプレスの精油を少しつけたムエットが私にまわってきて、初めて香りをかいだとき、その香りはヒノキとは違い、少しスパイシーで、少しウッディーで、ほんの少しだけツンとした香りの葉っぱを感じさせ、スッキリした香りだった。あぁ、ずっとこのまま香りをかいでいたい、と思ったのを覚えている。だから、バスソルトはサイプレスをメインのオイルにした。

その夜、バスソルトを入れ、お風呂につかり、目をつぶると、香りが鼻から入り頭へ、皮膚から私の体に入っていくのがわかるような、体中をめぐって浄化されていくような感覚がめぐった。ソルトの効果でじわっと汗が出て、上がった時には体が軽くなったよう。そして、カチカチだった私の肩が柔らかく感じ、アロマの力、植物の力を実感した。

この時の感動が、私がアロマに興味をもち、もっと知りたい、学んでみたいと思ったきっかけになった。それから4年ほどたった今、知識は少しずつ増え、好きな精油も増えた。けれど、私の特別な精油は、いつでもサイプレス。これはこれからも変わらないだろう。